【プロフィール】

「北限のジュゴンを見守る会」について

  「北限のジュゴンを見守る会」は、沖縄に生き残っている海棲哺乳類ジュゴンの保護を目的として野生生物に関わる研究者と市民により設立されました。

 かつて沖縄の人々になじみの深い生きものだったジュゴンは、過去の食用目的の乱獲と開発による生息環境の悪化で一度は絶滅したと考えられていました。しかし、1998年1月、皮肉にも米軍海兵隊普天間飛行場の移設先の候補地となっていた名護市辺野古沖で、マスコミのヘリコプターからの撮影によってジュゴンが確認され、その生存が公にされたのです。

 その後、沖縄では地道な保護活動がはじめられましたが、その保護活動が「本土」のメディアや自然保護団体に伝えられることはなく、沖縄のジュゴンの存在も当時「本土」ではほとんど知られていませんでした。

 私たちは、世界の北限に生息するジュゴンを保護する団体として「本土」と沖縄の両方に活動拠点を置き、その双方を連携させながら、ジュゴンとその生息地を守るための実効性のある活動を目指しています。
 
 設立以来、主にシンポジウム・セミナーの開催、政府への提言活動、会報等による情報発信、イベントへの参加、署名活動、国際会議への参加、現地における抗議行動、地元との交流、ジュゴンに関する歴史的文化的な調査などを行ってきました。

 2006年11月からは、ジュゴンの生態を詳しく知るため、研究者の助言・指導を受けながら、ジュゴンが海草を食べた後に残す食跡を定期的に調査しています。今後、この結果および既存の調査による科学的基礎データをもとに、沖縄のジュゴン個体群を存続・回復させるための具体的な方策や、確保・改善すべき環境の条件を提示し、ジュゴンが生きていける環境の実現をめざして行動していきます。