国連生物多様性10

 

コミュニケ

 

生物多様性条約2012年国際デーのテーマは海洋生物多様性に

2011520日モントリオール発>

 

海洋生物多様性はかつてなかった危機にさらされている。海洋生物は深刻な脅威に直面している。海岸部において人間活動による影響がますます大きくなって、海草や湿原生息地の65%が失われ、水質の悪化と外来種による侵犯が加速している。世界の海洋に元来あった珊瑚礁のうち事実上19%はすでに失われたと考えられ、今後10年間でその35%が失われるおそれが強い。過去20年間に世界のマングローブ地帯の20%、つまり360haが消失した。世界の海洋魚類資源のおよそ80%は完全に採り尽くされたか、ないしは過度に利用されてしまった。

 

こうした危機は一般のひとびとにはまだ知られていない。生物多様性に関する2020年愛知ターゲットを支持し人々の覚醒を促すために、国連生物多様性会議事務局は2012522日の生物多様性国際デーのテーマを<海洋・海岸の生物多様性>とすることをここに発表する。

 

193の団体と、それらの連携組織を代表する18,500人が出席した生物多様性名古屋サミットで、海洋・海岸保護地区を現行の1%から2020年までに10%に広げることが賛同された。持続的開発に関する2002年地球サミットで代表的ネットワーク[訳注:国際的海洋保護区]を含む海洋保護区設置が決められたが、その期限が2012年にあたることは重要である。

 

2012年の生物多様性国際デー(IDB)のテーマを発表するにあたり、会議事務局長アーメド・ジョグラフ氏は以下のように声明した:“海洋・海岸の生物多様性に関する愛知ターゲットを実行に移すことは息をのむような挑戦であり、ただちに取り掛かるべきことである。これこそ2012IDB祝典の目標である。

 

国連生物多様性10年の2年目に行われる国際的祝典は、生物多様性が人類福祉に貢献することについての認識を広めるための10年計画と、生物多様性保全のために行われる様々なアクションに寄与するであろう。それはまた、国連生物多様性会議設立採択20周年、および生物多様性インド・サミット開催とも時期を同じくする。

 

表記のテーマは、リオ+20会議、および本事務局と提携して開催される地球海洋・海岸・島嶼フォーラムにも寄与するだろう。それはまた、“生きている海洋と海岸”をテーマとして韓国の麗水(ヨス)で開かれる2012年万博(20125~6月)や、20122月シンガポールで開催される地球海洋サミットのような地球規模の活動をも補完する。

 

資料や情報はCOP10参加団体に2011年秋に提供されるであろう。

 

生物多様性国際デーに関するより仔細な情報については以下を参照されたい。

www.cbd.int/idb

 [訳注] 原文はこのHPの英語セクション、トップページにあるGlobalをクリックすると見られます。